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第一回 リスク・コミュニケーション勉強会

第一回 リスク・コミュニケーション勉強会

参加者 プロジェクト協力者 12名
(当日参加10名 かくた、つのだ、うめむら、さとう、きの、ふくだ、うえだ、たかやなぎ、しらい、ながさわ、よこすか)

1. リスク・コミュニケーションとは何か。「知っていること・知りたいこと」「今の事態でRCの課題だと思うこと」  グループで話し合う。
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知っていること
・天災のリスクと人災のリスクがある。
・リスクとハザードは違う。ハザードは回避したり、排除したりするもので、そのために「ハザード・マツプ」などを作成し、予防的に学ぶことができる。リスクは、その悪影響をコントロールしたり、マネジメントするもの。
・原子力、食品、化学物質などは、「利益」と「不利益」のバランスを考えて、意思決定している。
・リスクは連鎖する。「リスク」と言っている場合、その連鎖についての配慮を短いところまでしか考えていないのではないか。

知りたいこと
・RCとは情報提供なのか、意思決定のプロセスなのか?
・リスクは予防するのか、対応するのか?
・   →「リスク・コミュニケーション」の定義を知ろう!
○一方的な情報提供ではなく、対話・共考のプロセスを目指して実施するものである。
○「従来リスクコミュニケーションは、専門家から非専門家への一方的な情報伝達とされ、情報発信者の意図が良く受け入れられることをもって成功の証しとされてきた。しかしNRCの委員会はリスクコミュニケーションを、集団、個人、組織間の情報と意見の交換プロセスと考え、関係者間の理解と信頼のレベルが向上したことをもって成功の証しと考える。科学的な情報を単に提供すれば良いというものではなく、価値観や立場の違いを認めつつ、選択の自発性を尊重する。・・・民主社会における情報の流れの重要さを優先する。(National Research Council編、『リスクコミュニケーション 前進への提言』1997、監訳のことば より)

今回の事態でRCの課題だと思ったこと
・リスクはどこまで展開するか、今回の事態で、広がりの大きさに驚いた。どこまで展開するか、予防的な展開して考えておかなければならなかったか。
・行政と民間の情報交流が少なかった。
・釜石の防災無線が「津波3メートル」とアナウンスしたために、自宅にモノを取りに戻り、亡くなった人がいた。初動の間違い。津波の大きさの見誤り、被害の大きさに対する危機感の小ささ、そして防災施設・設備に対する過信があった。
・立場、地域、年齢によるリスクの捉え方が違う。
・当事者というのは行動のために情報を必要としている本人のことだが、それぞれのニーズに合わせて、情報は的確に必要。逃げるのか、それとも屋内退避なのか。
・情報を受け取る側の問題として、動悸が激しい、ふわふわ・どきどきしていて、パニック状態。真偽の判断がつかない。
・東電のRI、めちゃまずいっしょ、と思った。
・日本医師会の声明がやっと出た、という感じ。

STS科学技術社会の発展の特徴は「より専門性が高く、深く」「より細分化し」「価値観が多様化」していく傾向、特徴があるのではないか。それぞれの多様で、多層的な専門家の存在に対して、大衆・マスはどこまで学ぶことができるのか。また、どこまで学ぶ必要があるのか。また、学び続けることはできるのか。継続、範囲、深さの問題。
2. 今後の学習会への期待 
   上田さんがやりたいこと 明日、福島で話をする予定。
・これからの防災計画 コミュニティの力を行かした地元の防災計画を作る。
・東京で話す内容と、福島で話す内容は違う。主催者から、「放射線の危なさはみんなよく知っていますから、それについては話してもらわなくていい」別のことを、と依頼されている。これからも続く放射線被曝をどう考えるか。異なる利害のこの両者の間のコミュニケーションは、これからどうなっていくのか。

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・情報提供する側と当事者間の「理解」と「信頼」へつながるコミュニケーションはあるのか。
・被災地の中にある濃淡。
・アクアマリンにボランティアに行こう。
・減災の町づくり
・Not in my backyard という意識。わたしの裏庭はいやよ。その論理で行くのであれば、自立する町づくりしかありえない。痛み分けにするなら、どのように痛み分けをするかだ。
・リスクアセスメントを学びたい。

3. 良かった点、アイデア、疑問点
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良かった点・課題・アイデア
・NRCの考え方に人権教育、自尊感情を育てることなどとつながるものが見つかった。
・減災、つまり完全を目指さない。
・リスクコミュニケーションについて「対話・共考」
・防護意識は減って行くのに、被害の影響は広がり、多様に展開すること。
・応用力のある学び方をしたい。テーマ羅列型、追加的カリキュラムはもういらない。
・どうすれば、もっと統一的な運動になりえるのか。
・NRCのいうプロセスは「未来へのエンドレスなプロセス」
・互いの連携、信頼をどのように培うか。

by focusonrisk | 2011-05-16 17:40 | 勉強会・記録